TENNEN

新しいリサイクルシステム

New recycling system

着古されたコットン衣料から糸を紡ぐ

服が服として生まれ変わるのは実質1%未満?

近年は衣料品のリサイクルの動きが盛んになっていますが、リサイクル率もいまだに低いままです。
その背景には、そもそも洋服の作り方は複雑で素材ごとに分別しにくいことや、日本の資源ごみ回収の問題、
そして過剰生産によって洋服が余ることで、使い捨てOKという考えがなんとなく蔓延してしまっていることがあるのかもしれません。

例えば日本でのアルミ缶のリサイクル率は98%、ペットボトルは約87%といわれているところ、
手放した服がリサイクルによって再活用される割合はたったの約15%、
リユースに回るのが19%と合わせても、全体の34%以外は、廃棄となってしまっています。

出典:環境省_サステナブルファッション

衣料品・繊維製品のリサイクル率

繊維 to 繊維のリサイクル率
1%未満

しかもそのリサイクルに回される15%のほとんどは、ウェスやフェルトといった、素材の品質の低下をともなうカスケードリサイクル。衣料品として使えるようにリサイクルされるのは1%未満というかなり少ない確率なんです。また、日本では生産された衣料品の約半分が売れ残り、その多くが廃棄処分されているというのも受け入れがたい事実としてあります。そんななか、私たちアパレルブランドがすべきこととは?

tennenは「無駄を産まないモノづくり」を目標に、まずはコットン製品から縫い糸も含めた単一素材でリサイクルを前提にした服づくりを行っています。

2020年から、洋服のリサイクル工場と一緒に、そこで出る捨てられたコットン製品からリサイクル糸を作り、
そのあとオーガニックコットンの糸と混ぜて製品を作る「BORO」プロジェクトを開始しました。

ただし「環境負荷が少ない」というだけでは、アパレルメーカーとしては50点。
あとの50点を獲得するためには「今までのやり方で作られた製品と変わらない品質の服を作る」必要がありました。
いくらエコだからといっても、着心地が悪くて着られなくなったら本末転倒です。

数年の試行錯誤を経てたどり着いたBOROの生地はタフで着心地がよく、どこか懐かしいヴィンテージ感のある風合い。
そしてもちろんエコフレンドリーです。着ても気持ちいい、作り方も気持ちいい。手放したくないウェアができました。

近年はペットボトルからリサイクルした繊維を使ったウェアや、店頭で回収されたウェアのリサイクル活動が日本でも普及してきました。
次はtennenが、天然繊維でウェアのリサイクルを推し進めていくことで、洋服にもっと多様性が生まれ、
服のつくり方や服への意識がもう一度見直されるきっかけになれれば、そう願っています。