ナニいっテンネン!第4号 スギノ、洋服って農業から始まるって知ってる?

まだまだ熱い日が続きますが、暦ではすでに立秋も過ぎ、少しづつですが秋の気配が近付いています。
しかし、まだまだ連日の暑さで夏バテしてませんか?すこしスローダウンしても良い時期かもしれませんね。
ところで、この9月は立春から数えて210日目に当たります。この時期は、台風の被害に注意が必要な時期といわれています。収穫前の田んぼには最後の試練の時期。そうそう、自然のリズムにあわせて成長する秋の野菜や果物はこれから収獲を迎えます。楽しみですね!

僕らの夢

収獲といえば、そうそう。僕らには大きな夢があるんです。
それはこの日本で栽培し、収穫したコットンでTシャツを作る事なんです。ふーんって感じですか?現代の日本はコットンを足下のこの土で栽培し、糸づくり→生地づくり→製品生産という純国産はほとんど皆無です。そうなんです!原料のコットンは限りなく輸入に頼ってます。99%以上です。そこで僕達がこの日本で育てたコットンをみんなで収穫してそれを洋服にしちゃおうじゃないか!などとちょっと馬鹿げた、常識はずれな事に挑戦しようとしています。どうですか?素敵じゃないですか?ワクワクしませんか?現在は都内から1時間半の鴨川市の素晴らしい景色が望める山あいの場所に畑を借り、種を蒔き、苗を植え、草刈をして、イノシシ避けの電柵をはり、素人丸出しの我々が、コットン栽培にいどんでいます。やってみて思ったんですが、まぁ、それはそれは野菜やお米と一緒で、結構手がかかります。しかもオーガニック(有機栽培)で育てようとしているのですから。はたして収穫出来るのでしょうか?笑 最近は車で走っていると、ほかの畑や田んぼの電柵がつい目に入ってしまって仕方がありません笑
我々はこう考えます。
日本でコットンを生産するというのは、現在輸入に100%近く頼っている日本の構造に対してのアンチテーゼでもあります。要するに、小さな小さなカウンターカルチャーです。日本で作ることにより、輸出国の事情に左右されずに、製品を作ること事が出来るシステムです。生産者の顔を知り、安全な綿花を育てる事もできます。しかも、綿は糸にしなくてはいけないので、日本の紡績会社にお願いしないと糸にできません。そうすると縮小一方の日本の紡績会社に仕事が生まれます。仕事が生まれれば雇用も生まれます。雇用が生まれれば地域のつながりや、産業として社会貢献できます。それらの事が繊維プロダクトの新たなる価値につながり、大切に着てもらえるひとつの要素になって行くのではと思っています。小学生に綿花を育てるのを協力してもらってもいいかなと思ってます。自分の育てたコットンでTシャツを作って着ることができたら楽しいですよね!
さらにやってみて気がついた事があるんです。
確かに畑は大変なんです。草刈りや虫、イノシシや天候。しかし、そういった全ての自然のリズムを受け入れ、そしてその場所で作業をする事で、僕らが自然の1部に溶け込んでくるのがよく分かります。特に鴨川の畑は山に囲まれて、静かな場所です。すごく気持ちが良いんです。鳥の語らい、こおろぎの合唱、樹々の匂い、風のいたずら、アブのツッコミ。どれも愛おしく受け入れられるようになります。それらがとても心地よくなっている自分に気が付きます。だからこそこの自然と共存出来るよう、オーガニックコットン作りを通して学んでいます。それは理屈ぬきで気持ちの良い環境を残したいから。

Sep 1, 2018 | Category:news